稀にみるトラブルの連鎖

新年が明け、毎年恒例の劇団アトリエ開催「お年玉公演」が終わり、
今年初の大仕事が始まった!
車二台で山口県防府市を皮切りに、最終的には沖縄の南城市まで行き帰路へといった2週間を要する旅コース、
2日目の佐賀県鹿島市で公演を終えると翌日の山口県岩国市へ向かった。
当日は10年に一度の大寒波という予報、九州自動車道が通行止めとなり、下道を駆使してなんとか
関門海峡を渡った。ここまで学校を出発してから7時間・・・
小倉東で漸く高速道路にのりホットしたのもつかの間、道路はアイスバーン状態で制限速度50キロ⁉
ツルツル滑り怖くて30~40キロしか速度が出せず、日頃追い越している大型トラックが絶えず追い抜いていく。
挙句の果て、走行中の高速道路も通行止めになり途中で降りる羽目に。
何としてでも見せたかった、出会いたかった、岩国の子ども達の前で演じたかった。
しかし、予定の時間までたどり着けなかった。
正確には一台は事故に巻き込まれ走行困難になってしまった。
その余波で、熊本県上天草の小学校へも行けなくなってしまった。
演劇鑑賞教室を楽しみにしていた子ども達に対して、申し訳ない気持ちで胸が締め付けられた。
まだコースの半ばであり、何とか気を取り直して鹿児島へ向かった、奄美大島へ向かうフェリーに乗るために。
移動中、急遽連絡が入り欠航の知らせが・・・。

無事に与路島へ辿り着けるのだろうか・・・、沖縄へ辿り着けるのだろうか・・・。
これ以上何事もなく、無事に旅を終え劇団へ戻ることが出来るのか・・・。



Tatsukiでした(´;ω;`)


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17:36 | 公演の様子 | comments (0) | edit | page top↑

人の魅力について

執筆者  山 根 宏 章

演劇人に定年ってあるのかな?僕はもうじき86歳になる、だから・・・でも・・・なぜ・・・。

劇団の経営者として僕は自分の定年を決めなくてはならない羽目になり、今年の誕生日がそれになっている。でも、演劇人としての心の火はまだ燃え盛り、役者としての欲は抑えようがない中でずっと考えてきたのは他者に迷惑をかけないで終わる方法だった。でもなかなか見つからない、芝居屋の仕事は終わりのない旅だから。

僕は、終わりの時をつゆほども考えないで生きてきた、それはとっても幸せなことだと感謝している。劇団の仲間にはもちろん家族にも友人にも神にも仏にも心から感謝している。
それもこれも19歳の時に人形劇団クラルテに誘われて(厳密にいうと誘われたのは僕の兄貴で、その兄貴に唆されてなのだが)人形劇の道に入ったのが幸運の始まりだった。
以来、ぼくは上を見ては憧れてあそこに行きたいと思いを募らせ、先を見ては身を乗り出して我を忘れ身の程知らずと笑われたり、周りを見ては抑えの利かない人まね小僧になっていた。音楽の魅力に憑りつかれ、ダンスの魅力に引き込まれ、異性の魅力に振り回され・・・、何しろ《人》の魅力に操られて生きてきたみたいなのだ、人形遣いのくせに。でもそのせいでいろんな《人》に出会い、いろいろ教わり叱られ助けられた末にそのお陰で今このような形で生きてこられたのだと思っている。
 近頃ふと気が付いたことがある、ひとの魅力は眼の輝きにあると。
 ぼくの家のご近所さんに定年退職してアパートに引っ越してきた独身の男性がいる。悠々自適を絵に描いたように、いつもしゃれたハットをあみだにかぶり手を後ろ手に組んで細身の長身をゆったり揺らせて夢の先を追うようにあたりを眺めながら歩いている。
 ぼくはひそかに彼のことをダンディーおじさんと呼んでいた。そのうち彼の目が曇っているのでそれとなく話を聴いてみるとシルバー人材センターの仕事が終わりになったとかでなんとなく表情も暗かった。その後しばらく姿を見かけなくなった。
 ところが先日、その彼がいきなり大声で話しかけてきた。なんでも老人たちの足腰の痛みをほぐす《ツボマッサージの体操教室》のような集まりを始めて数か月の間に仲間が60人を超えるほどになったとか。「うぇっ、勧誘されるのか」と身構えかかった僕に、「演劇の宣伝物があったら持ってきてよ、そこの地域センターでやってるから」ニッコリ笑っている。
 とても魅力的な笑顔の中で目が輝いていた。生きがいを見つけ実践していると辺りの人を引き寄せる力が出てくるんだなあと、こちらも嬉しくなった。

 ぼくも、自分の生きがいをしっかり持ち続けて大切な目の輝きを失わないようにしなくっちゃ!よーし、やるぞぉーっ!どうやら2023年の光が差してきたようだ。
13:05 | その他 | comments (0) | edit | page top↑

あけましておめでとうございます

新年、あけましておめでとうございます!

皆様におかれましては輝かしく楽しい新年をお迎えのこととお喜び申し上げます。

これからも楽しみを届けられるようより一層精進いたしますので、本年も何卒よろしくお願い申し上げます。


さて!お久しぶりの更新となってしまいましたが、今日はお年玉公演の日です!

例年より若干遅めの開催となりましたが、ありがたいことに満席で、皆様にお会いできるのが待ち遠しく、そわそわとしています。

ポポロは公演準備の真っ只中!看板を立てたり照明のチェックをしたりお土産を準備したり、大忙しです!


演目は、恒例の「新春ポエムポエム」ことしは卯年ですので、うさぎがたくさん活躍するポエムとなっています!可愛らしくて騒がしいどうぶつたちを是非ご覧ください

その後はお楽しみ抽選会!今回の抽選会の品々は私チョイスで皆様に楽しんでいただけるものを詰め込みさせていただきました!喜んでいただけたら嬉しいです、、、!

そうして最後にお待ちかね、「だいふくもち」の公演があります!ごさくが床下で見つけた不思議なだいふくもち。それはごさくにとって幸運をもたらすものか、それとも……


今年も盛りだくさんの内容となっています!このあと1330、皆様にお会いできる時を楽しみにしています!

それでは!!


ながや


10:08 | 劇団の日常 | comments (0) | edit | page top↑

『2023年 年頭のご挨拶』 人形劇団ポポロ 代表 山根宏章 

新年あけましておめでとうございます
  昨年は劇団創立50周年記念年ということでいろいろお騒がせし、大変お世話になりました。様々な年代の多くの方々に3公演4作品をご覧いただいて、それぞれの楽しみ方で喜んでいただいたことに心より感謝申し上げます。
  何しろ芝居はお客様あって成り立つもの、皆さまの気持ちをひと匙乗せて頂くことで楽しみ百倍になるってことを今回の三公演で、今更ながら腹の底から背中の端々までほんとに思い知らされ、私もまた自ら深い感銘を受けました。
  19才から85才まで人形劇役者として66年の間現役を続けてこられたのも、多くの先達や先輩の方々からご指導ご鞭撻いただいたことと共に沢山の仲間たちとの交わりが支えになったと感謝しております。と同時に、数えきれないほどのお客様の励ましと叱責があったればこそ今があるとしみじみ感じております。有難うございました。
  さあこれからは、新しい次の50年に向かっての第一歩を間違いのない方向へ踏み出していかなくてはなりません。コロナ禍に流されてグズグズしているわけにはいかないぞと急き立てられる思いです。ロシアのウクライナ侵略に始まった戦争の危機は世界中に好戦的な風潮を生み出して私たちが人形劇芸術で追い求め積み上げてきた国際的な互いの理解と交流の流れを理不尽で独善的なミサイル攻撃によって、人類はおろかこの地球という大事な星までも破滅させてしまう危機に追い込んでいるのですから。
  僕は先の大戦で従兄を三人戦地で亡くしました。僕はまだ小学1年生で彼らは16~18の朴訥な若者たちでした。戦地へ出発直前の一人をその時はまだ大阪で暮らしていた僕は父と一緒に見送りに行ったことがあります。せわしく兵隊さんが行きかう兵営のそばで「叔父さん、わしぁこの通り元気で行ってきますけぇ・・・あのぉ・・・鳥取の親を頼みます」ニッコリ笑って振り返り「おみゃぁも早よ大おきぃなってなあ」と小さい僕の背中をドスンとたたいて去っていきました。それっきりもう会えなかったのです。のちに会えたのは仏壇の横に立てかけてある額縁の中の兵隊姿の写真だけでした。彼らの人生は額縁の写真に固められてしまったのです。
戦争を始める人間は必ず自分の正当性を主張します。しかし戦争はまぎれもなく暴力であり平気で殺人を正当化する行為だと思うのです。そのあげくおびただしい戦争被害を生み殺戮とその報復が繰り返されることになるのです。そして真っ先に犠牲になるのが子どもをはじめとする弱い立場の人間です。僕らは、僕らの仕事は絶対それを阻止していく力にならなくてはいけないと思います。理不尽な行為に見て見ぬふりは同罪と思わなくてはならないでしょう。愛しい人を額縁の中に殺人者の衣装をまとわせたまま固めてしまわないように、殺し合いの論理をまかり通させないように意識を高く持って日々の創造活動に取り組んでいきたいと改めて思います。
今年一年、皆様のご健康とご多幸そしてご発展を心からお祈りいたします。
2023年1月3日         劇団代表者  山 根 宏 章
14:41 | ご挨拶 | comments (0) | edit | page top↑