『如月の日差し』 人形劇団ポポロ代表 山根宏章

相変わらず厳しい寒さが続く中です。
でも、もう2月~豆まき~春の公演と思うとなんだか日差しが柔らかく感じられ、この身がうずうずしてきます。
「14ひきのおつきみ」チョットどころかずいぶん季節はづれな感じなのですが諸般の事情でこうなりました、ご勘弁ください。

この如月の日差しのせいか、もう公演まで時間が残っていないというのに、周囲の表情はいつものような切羽詰まったとげとげしさがなくて、やさしいまなざしさえ感じてしまいます。この安心感こそが学習を前へ進めるものだと、むかし猿舞座の座長さんに教わったことがあります。サルも人間も同じなんだなあとその時感銘を覚えたことを思い出しました。

日常の営みの中で、この安心感を誘いだすのが《目線》ではないかと思うんです。家の中で1歳3か月の子があちこちひっくり返して物を散乱させています。85歳の僕はそのたびに大声を出して反応してしまうので相手はますます気に入ってバラマキを続けます。「散らかしや、さくら」の面目躍如です。40代のパパママは半べその顔をしながら笑っています。5歳のお姉ちゃんはにやにやその行方を見守っています。突然ガンと音がしておもちゃのお鍋がさくらの足の上に落下、⦅ほらぁっ⦆大人たちが立ち上がりかけましたが、こちらを振り返った散らかし屋は我慢して泣きませんでした。そういえばこの頃泣き声があまり聞こえないなあと思っていたのだけど、これで合点がいきました。すべてはこの目線の中で育ってきたのです。

ところで、「14びき~」の舞台は6人でやりますから一人必ず2体以上を受け持ちます。しかもそれぞれがしゃべります。14体が生き続けるためには14の目線が生きていなくちゃいけないのです。台詞は勿論この14の目線をしっかり体得してこそ主人公たちは生き続けられるのです。しかもこの14匹の目線はお互いをやさしいまなざしで見つめているのが、かけがえのない絆を本物にしてくれるのです。

さああと少し、本物のきずなが生き生きと交錯する舞台が出来上がるように、この如月の日差しのように柔らかな心で《目線》をとぎすませていきたいものです。
みんなで頑張りましょう! 

 (山根宏章)筆
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11:36 | 劇団の日常 | comments (0) | edit | page top↑

あけましておめでとうございます

あけましておめでとうございます!
早いもので、もう一年が過ぎ去り、ポポロでの生活も2年目に突入いたしました。まだまだ不安な日々が続きますが、どうか皆様健康を崩されぬよう。今年もどうぞよろしくお願いいたします。

新年早々ですがポポロは大忙しで、特に来月の「14ひきのおつきみ」に向けて精一杯がんばっている最中です。

いわむらかずおさんの手で描かれる、繊細で、穏やかで、目を凝らすほど美しい世界を、芝居を通して共有し、そうしてまた絵本の世界へと立ち返っていけるような、そんな経験を届けられたらな、と考えています。

少ない演者で14ひきの兄妹たちを動かすこの芝居は、複数の役を演じ分けたり、自分の役でない人形を動かしたり、目まぐるしく変わっていく舞台に置いてかれないように、挑戦することばかりで緊張します。

しかし考えてみればポポロにきてからずっと、挑戦と緊張の連続でした。今回も皆様に素晴らしい芝居が届けられるよう、新人らしくフレッシュに?精一杯努めます!

また「14ひきのおつきみ」の一ヶ月後には「ともだちくるかな」の公演もありますので、ぜひご覧ください。

ではでは、皆様にお会いできる日を楽しみにしています。



(新年、祖父母の家に現れた大きな野良猫?)

ながや

14:02 | 劇団の日常 | comments (0) | edit | page top↑

作り物の日々

無事お正月のお年玉公演も終わり、一段落と思いきや今度は講習会用の作り物が待っていました。
年末から始まっていたのですが、なんにせよ作らなければいけない物が沢山あって、人形の肩板といってちょうど肩の部分の骨組みのパーツを五ミリ厚のベニヤ板を地道に削る作業を皮切りに、発泡スチロールを削り加工したり木を切り加工したり色を塗ったりなどなど、充実した日々を送っておりました。
ひとつひとつのパーツ製作はとても楽しくやりがいのあるものですが、なにしろ時間の制約があるので、のんびりやっていられません。常に追われるように慌ただしく作ってました。
もの作りの楽しさと時間に追われる辛さを感じながらの充実した日々?を終えて、いつかもっと落ち着いてもの作りに打ち込めるようになれたらいいなと、いつものように思うのでした。作成者田村
12:18 | 劇団の日常 | comments (0) | edit | page top↑

明日はおとし玉公演!

明日1月9日はいよいよ「第42回新春おとし玉公演」です!!

去年はコロナ禍のため、youtubeで配信という形になってしまいましたので、
劇団のアトリエで公演できるのは2年ぶりとなります♪
とっても楽しみです!

でも、まだまだコロナ禍ということで、例年とは違い、色々コロナの感染対策をして皆様をお迎えしますよ♪

入口での検温・消毒はもちろん・・・

いつもは定員80名様くらいでお送りする会場ですが、
今年は午前・午後の2回にわけて、しかも各回30名という、今までの半分以下の人数に制限しています。
いつもより広々みられますよ♪

そして恒例の子ども達へのお土産も、直接子どもたちが手を触れずに、スタッフが希望のものをお渡しします。
抽選会もマスクはもちろん、手渡しするときも工夫をしてお渡しする予定です。
ドリンクのサービスも、従来と違い、お持ち帰りできるお飲み物をプレゼントする形式にして、
飲食はお手数ですが、会場外でお願いする形をとることにしました。
2022年アルバム_220108

基本的な会場の換気や消毒、劇団員の健康管理も徹底して、準備しております!

2022年アルバム_220108_0
今、おばけいしゃの稽古の真っ最中ですが、マスクをして、最善の注意を払って、皆様に楽しい人形劇をお届けする準備をしております!

年に一度のアトリエ公演♪
去年、「相棒」の撮影現場にもなった赴きあるポポロのアトリエにぜひ遊びに来てくださいね♪

劇団員一同、おまちしております!!

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1月8日12:30 現在、まだ午前、午後共に空席あります♪
残りがやや少なくなってきておりますので、お早めにご予約くださいね。
12:28 | ご案内 | comments (0) | edit | page top↑

『新春のごあいさつ』 人形劇団ポポロ代表 山根宏章

明けましておめでとうございます。
コロナに明けコロナに暮れたこの2年、皆さまには恙なくお過ごしだったでしょうか

人と会い人と楽しみ分かち合うことがままならない状況下で私たちは、人と一緒にたのしみを生み出すのが私たち芸能者に与えられた仕事として粉骨砕身その務めを果たすべく努めて参りましたが《会うこと近づくこと》が厳しく制限される中で、今更ながら《会うこと語ること、共に楽しむこと》の大切さを痛感させられております。

いろいろの工夫を生み出しながら、一つの公演を2回3回に分けて文字通り身を粉にして演じることも日常となってきました。
とは言え今年85才の僕には、マスクをつけたまま階段上って荷物を搬入しやっと舞台設営を果たした上の3回連続上演というのは正直なところ格闘技そのもの、早くこの状況が収束してほしいと切実に願う毎日だったものの、何とか無事に終えると、「フフフまだまだやれるなあ」と変な自信が沸く始末。
そこでふと調子に乗ってやりたい芝居を数えてみると、なんと95歳までかかりそう。生涯現役の道ははるか遠くまでつながっているようでチェッカーフラッグはまだ見つかっていません。

と言ったようなわけで、今年も私自身舞台の先端に立って頑張っていこうと思いますので、若い劇団員ともどもよろしくお願いいたしますとともに、芝居の相棒である皆様にはくれぐれもお身体大切になさってよい年を過ごされますよう心からお祈りいたします。みんなで楽しみ作れますように❕

2022年  元旦

16:57 | ご挨拶 | comments (0) | edit | page top↑